「世界に通用する風景」を伝えたかった。映像初心者が瀬戸内海の島々で挑んだ、YouTube最初のチャレンジ。

撮影のきっかけと原点

2022年、私は「Setouchi Relaxation Films」というYouTubeチャンネルを立ち上げました。ターゲットは、直島や豊島を愛する世界中の人々。ドローンとiPhoneを片手に、静かな海と島々の風景にリラックスできる音楽を重ねて、美しい瀬戸内の時間を届けようとしたのです。

しかし結果は…うまくいきませんでした。
それでも、すべては今につながっています。この記事では、最初のチャンネルでの失敗と学び、そして現在の「Setouchi Ambience」誕生へと続くストーリーを振り返ります。

私が「Setouchi Relaxation Films」としてYouTubeチャンネルを始めたのは、2022年2月のことです。最初に撮影を始めたのは、香川県の離島・直島。満開の桜を狙って、何度も直島に通い詰めました。そして完成したのが、四季の美しさを映し出す「春の直島」という一本の映像作品です。

当初のターゲットは、直島や豊島を旅したことのある外国人の方々でした。彼らの記憶を呼び起こすような、静かで美しい映像。そしてScenic Relaxationという海外のチャンネルに影響を受け、リラックスできる音楽と風景を合わせた長時間の映像を作ることを目指しました。

MUSIC BEDのライセンスを年間約6万円で契約し、主にピアノなどの静かな音楽を使用。美容サロンの待合室などで、ずっと流しておけるような作品を意識して制作していました。

最初の撮影では、DJI Mavic Air 2というドローンを使用し、その後はDJI FPVに切り替えました。地上撮影はiPhone13Proで対応。ドローンやカメラの操作にはそれほど苦労はしませんでしたが、問題は編集。

Adobe Premiere Proを使って、初めてHDR映像に挑戦しましたが、「どうやったら長時間のHDRを書き出せるのか?」と毎日が手探りの状態でした。

苦労して作った作品も、視聴回数がまったく伸びない。登録者の増加もごくわずかで、「このペースなら収益化に10年かかる・・・」と思った瞬間、さすがに愕然としました。機材や音楽ライセンスにかけた費用も重くのしかかってきました。

今振り返ると、最初からもっと高性能な機材、たとえばDJI Mavic 4 Proのように望遠カメラ付きのドローンを使っていれば…と思います。

単調な風景の連続では視聴者は飽きてしまいます。でも望遠カメラがあれば、遠くのフェリーの乗客や浜辺の人々の様子などを、安全な距離から自然に捉えることができ、映像に「変化」が加わります。

また、今はAIで音楽を生成するサービスもあり、自分の映像にぴったりな楽曲をオーダーメイドで作ることができます。そう考えると、MUSIC BEDのような高額サブスクに頼らずとも、創作の幅はもっと広がったはずです。

本当に大きな転機になったのは、Nomadic AmbienceというASMR系の人気チャンネルに出会ったことです。

そのとき、気づいたのです。 「Naoshima」という検索ワードでは、世界の誰も検索していない。 でも「ASMR」「Rain Sound」には、常に需要がある。

試しに、真冬の寒い雨の日に高松駅周辺を歩く映像を撮って投稿してみたり、その後に雨が降る栗林公園の映像を投稿すると、思った以上の反響がありました。雨の栗林公園については一気に1万回再生を突破。

この瞬間、私は「この方向で行こう」と決意しました。

それでも、今でも「Setouchi Relaxation Films」で撮影した直島や豊島の映像には特別な思いがあります。 特に、直島の四季をまとめた1時間の映像や、夏の豊島のHDR映像は、映像づくりに不慣れだった自分にとっても、大切な「初挑戦の証」です。

Setouchi Ambience」という現在のチャンネルに至るまでには、うまくいかなかった挑戦の積み重ねがありました。 でもそのすべてが、今の原動力になっていることは間違いありません。

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