私はこれまで、雨の日にさまざまな場所へ赴き、YouTubeチャンネルSetouchi Ambienceの映像を撮影してきました。
静かな日本の風景に響く雨音を、できるだけ高音質で届けたい──そんな思いで撮影を続けています。
ところが、いつも頭を悩ませていた問題がひとつありました。
それは「自分の足音」です。
マイクの性能が高ければ高いほど、わずかな足音や衣擦れの音まで拾ってしまいます。撮影後の編集で軽減することはできますが、どうしても自然な臨場感が損なわれてしまう。だから私は「雨の中を歩いても足音がほとんどしない靴」をずっと探していました。
雨の日の撮影とシューズ選び
私が雨の日にスニーカーを避ける理由は単純です。
雨が靴や靴下に染み込み、時間が経つほどに不快感が増していくからです。
長時間の撮影を快適に行うためには、防水性能が高い靴が欠かせません。
最初に使用していたのは、Amazonで購入したMERPHINE レインシューズでした。
見た目も悪くなく、価格も手ごろ。
ところが、長時間歩いているうちに靴がわずかに水を吸い出し、歩くたびに「キュッキュッ」という小さな摩擦音が鳴るようになりました。
繊細な雨音を主役にしたい私にとって、その音は無視できないものでした。
この靴を履いて撮影したのが、香川県・善通寺での雨の映像です。
次の挑戦:シューズカバーで完全防御
次に試したのは、Satipro 国内防水検査合格 シューズカバー。
履き慣れたスニーカーの上から装着するタイプで、靴も靴下も濡らさずに歩ける優れものです。
足元の防水性は完璧で、どんな大雨でも安心して撮影に集中できました。
しかし、今度は歩くたびにビニールが擦れ合うような「シャカシャカ」という音が気になりました。
動画を見てくださっている方の中にも「この音、少し気になるな」と思った方がいたかもしれません。
このシューズカバーで撮影したのが、屋島や与島での動画です。
そして出会った“足音のしない靴”
そんな試行錯誤の末、ようやく見つけたのが現在愛用しているマルゴ 防水シューズです。
価格は驚くほど手ごろなのに、舗装された道路を歩いても足音がほとんど響きません。
完全に無音というわけではありませんが、従来のレインシューズに比べて格段に静か。
雨音だけが空気の中に溶けていくような感覚があります。
もちろん、土の上では多少の音は出ますが、アスファルトの上では「まるで足音が消えたように感じる」ほど。
いくつかの最新動画は、この靴を履いて撮影しています。
雨の音を主役にしたい方、あるいはASMR撮影をしている方には、ぜひおすすめしたい一足です。
この靴を履いて撮影した動画はいくつかありますが、この記事ではこちらの動画を紹介します。
まとめ
撮影において、靴の音など些細な要素が作品全体の印象を大きく左右することがあります。
「足音のしない靴探し」は、音を大切にしてきた私の小さなこだわりですが、結果的に雨の情景そのものをより美しく伝えられるようになりました。
雨の音を撮るという一見地味な作業の裏側にも、こうした試行錯誤がある──
その過程も含めて、「Setouchi Ambience」という世界を楽しんでいただけたらうれしいです。


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