私はこれまで瀬戸内地方を中心に、雨の日や夜の静けさをテーマにした映像を撮影してきました。
今回ご紹介する動画は、4K HDR | Rain Sounds ASMR | A Rainy Walk Under Sakura Trees | Midnight Kobe, Japan | Binaural Soundsというタイトルで公開した作品です。
深夜に降る雨と満開の桜を、HDRの美しい映像でお楽しみいただけます。
香川県では撮れなかった「深夜の桜」
私が住んでいる香川県のような地方都市では、深夜に街全体を照らすような明かりが少なく、桜が咲いていても夜に撮影できる場所はほとんどありません。
仮に明るい場所があったとしても、有料で入場時間が限られていたり、夜間は立ち入りができないケースが多いのです。
春の夜に雨が降り、しかも桜が満開というタイミングは貴重です。
それを撮影できる場所を探しながら、私は瀬戸内地方の地図をじっと眺めていました。
地図の中で見つけた神戸・生田川
そんな中で目についたのが、新神戸駅前の生田川沿いに咲く桜並木でした。
神戸は関西圏でも夜の光が豊富な都市であり、深夜でも街の明かりが絶えません。
もし神戸で雨が降る夜があれば、桜と雨の両方を美しく映像に収めることができるはずだと思いました。
雨雲を追いながらの深夜撮影
撮影日は2025年3月27日。
3月末の急な暖かさで桜が咲き始めた頃でした。
私は神戸に到着したものの、雨は常に降っているわけではなく、雨雲レーダーを見ながら深夜に雨が降るタイミングをじっと待つことになりました。
ようやく静かに雨が降り始めたその瞬間、桜の花びらと雨音が見事に調和し、まるで時間が止まったかのような美しい情景が広がりました。
神戸には思い出がある
実は、私はかつて神戸の専門学校に2年間通っており、兵庫県には通算7年間暮らしていました。
そのため、土地勘があり、深夜でもどの道が安全で、どこに桜があるのか自然とわかっていました。
久しぶりに訪れた神戸で、こうして再びカメラを構えることができたのは、どこか懐かしくも嬉しい体験でした。
深夜の都会で感じた「自由」
撮影を終えたあと、雨が再び降り出すのを待ちながら、私は道端でノートパソコンを開き、映像をチェックしていました。
不思議なことに、誰もこちらを気にする人はいません。
地方都市では「こんな深夜に何をしているのだろう」と見られてしまうこともありますが、大都市の夜では誰も干渉せず、それぞれが自分の時間を過ごしています。
その「自由さ」こそ、都会の魅力なのかもしれません。
HDRで捉えた神戸の夜の光
この映像は4K HDRで撮影しています。
雨に濡れたアスファルトや街灯の反射、ビルの光、そして濡れた桜の花びらが織りなす色彩は、HDR特有の立体感と深みをもって再現されています。
神戸の夜の静けさと、桜の優しい表情をぜひお楽しみください。


コメント