冬が近づくと、四国の名峰・つるぎ山(剣山) の山頂では、わずかな条件が揃ったときだけ見られる「霧氷(むひょう)」が出現します。
しかしこの霧氷、運任せで行っても出会えるものではありません。
気温・湿度・風・天気…そのすべてがピタッと揃わない限り、姿を見せてくれません。
今回私は、Windy.com と ChatGPT を使って霧氷が形成される“当たり日”を予測し、実際にその予測が的中したという体験をしました。
この記事では、
「どうやって霧氷が出る日を判断したのか?」
「Windy のどこを見れば霧氷チャンスが分かるのか?」
「当日の登山の様子はどうだったのか?」
を詳しく紹介します。
最後に“熊はいたのか?”という読者が気になる話題にも触れています。
霧氷とは何か?
霧氷とは、空気中の過冷却水滴(0℃以下でも液体の霧)が、木の枝などに触れた瞬間に凍りつく現象です。
粉砂糖をまとったように白く輝く、冬の山ならではの美しい自然現象。
出現の条件は意外と厳しく、
- 気温:0℃以下(理想は -2℃〜-5℃)
- 高い湿度:霧が発生している状態
- 弱い風:風が強いと氷が育たない
この3つが揃わないと霧氷は現れません。
そのため、ただ「寒い日」に登っても見られないのです。

Windy と ChatGPT で霧氷の可能性を“予測”

今回、霧氷撮影を成功させるために、私は登山前日に Windy.com でつるぎ山山頂(標高を2,000mにセット)の気象条件を詳細にチェックしました。
2025年11月20日の条件(Windy より)
- 気温:終夜 -2℃前後を推移
- 風速:1〜5 m/s(霧氷が育つ理想的な弱風)
- 午前7時以降 → 快晴マーク(霧氷が光って撮影向き)
スクリーンショットを見た ChatGPT からは、こう返ってきました:
「これは霧氷が形成される条件と完全に一致しています」
「20日早朝に登れば、霧氷が見られる可能性が非常に高いです」
この“予測”に後押しされ、登山日を11月20日に決定しました。
深夜2時半に出発。完全なナイトハイク
当日は午前2時半に出発。
ローソン貞光店で休憩を挟み、午前5時過ぎに登山口へ到着。
車は数台停まっていましたが、ナイトハイクをしているのは私ひとり。
登山道は真っ暗で、ヘッドライトだけが頼り。
Amazonで数年前に買って放置していたアクションカメラ用ライトを倉庫から掘り出し、道を照らしながら登ります。
途中、鹿と思われる鳴き声が何度か響きました。
草が揺れるだけで振り向くほど警戒しつつ、黙々と高度を上げていきます。
そして──霧氷は本当に“あった”
リフト西島駅が見えてきた頃、周囲がだんだん明るくなってきました。
ふと山頂方面を見上げると――
つるぎ山山頂付近の木々だけが、まっ白に凍りついていました。
その瞬間、「あ、やった。これは霧氷だ」と確信。
すぐに写真を撮って ChatGPT に送り、
「これは間違いなく霧氷です!!」
というコメントをもらい、Windy と GPT の気象分析が完全に的中したことを実感しました。

当日の動画(DJI Osmo Action5 Pro・音声そのまま)
霧氷の美しさは静止画では伝わりにくいので、動画をぜひご覧ください。
風の音、足音、気温の低さ──当日の空気感がそのまま残っています。
ところで、熊はいたのか?
結論:今回も遭遇しませんでした。
歩いたルートは、
- つるぎ山登山口 → 西島駅
- 西島駅 → 初心者コース
- 次郎笈を望む展望台へ
- そのまま稜線を少し歩く
この行程で出会った登山者はゼロ。もちろん、熊にも遭遇していません。
帰り道で気づいた“四国の熊が少ない理由”
帰りは国道438号 → 国道492号 → 国道193号で香川へ戻りました。
車窓から見える集落では、柿の木の実がどれも無傷のまま残っていました。
本州ではツキノワグマが食料不足で人里へ降りて果実を荒らすニュースが絶えませんが、四国ではその形跡がほとんどありません。
理由はおそらく——
- 四国の熊の個体数が極端に少ない
- 山中にまだ十分な食料が残っている可能性
あくまで私の個人的観察ですが、四国の山と熊の関係は本州とはまったく違う印象です。
まとめ:霧氷は「予測」できる
今回の登山で、霧氷は経験や勘ではなく、気象データを読み解けば“ある程度予測できる”ということを実感しました。
Windy の気温・湿度・風
ChatGPT による条件分析
そして当日の行動
これらを組み合わせた結果、見事に霧氷の当たり日を引き当てることができました。
来年以降、霧氷撮影を狙う方の参考になれば幸いです。



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